名作法廷映画を2本連続で観てみる【情婦/十二人の怒れる男】
こんにちは、ぽわろんです。
今日は結婚した友人の新居に招かれていたのですが、当の友人が風邪でダウンしてしまい、急遽予定はキャンセルに。
最近寒くなって体調崩される方が多いので、みなさんもお気をつけください。
というわけで、フリーになった1日。
今日は家で昔の映画を2本観ました。
その映画が2本とも、とても面白く大満足でしたので、紹介をしたいと思います。
2本とも1950年代の白黒映画で、法廷劇という共通点があります。
どちらも観て後悔なしの作品です!
①『情婦』(1957年)
こちらはアガサ・クリスティの戯曲、『検察側の証人』をビリー・ワイルダー監督が映画化したもの。
原題は”WITNESS FOR THE PROSECUTION”なのですが、なぜ邦題が『情婦』なのか…良い作品なのに、この邦題だけはいまいちですね。笑
〈あらすじ〉
ロンドン郊外に住む金持ちの未亡人殺人事件で有力な容疑者とされたレナードは、ロンドンきっての敏腕弁護士であるウィルフレッド卿に弁護を依頼する。だが公判の日、”検察側の証人”として出頭したレナードの妻クリスチーネの証言に法廷は驚愕する…!
〈感想〉
クリスティ好きのぽわろんですが、原作は未読だったので、結末を知らずに楽しんで見れました。
やはり、シェイクスピアもそうなのですが、戯曲ってつい読むのを躊躇ってしまうのです。
要は台本なので、本で読むものというよりは映像で観た方が本来の作者の意図に沿ってるのかなという気がして…。
この作品は全体的にコメディタッチで、台詞や芝居にウィットがきいており、クスリと笑ってしまうシーンが多いです。
弁護士の太ったおじいちゃんがまさに古狸という感じで、お茶目なのに切れ者。
そして何より圧倒的不利な弁護側でどうやって被告を弁護するのか。その展開にわくわくします。
クリスティらしいどんでん返しが魅力で、ミステリーとしても楽しめます。
ぽわろんは途中で結末を推理できてしまったところもあるのですが、やはりクリスティの方が一枚上手。
1つ2つは、そうだったのか!という楽しい驚きがあり、大満足でした。
②『十二人の怒れる男』(1957年)
こちらはシドニー・ルメット監督の法廷サスペンスの代表作。
原題は”12 ANGRY MEN”なので、邦題に異論はありません。笑
こちらはブルーレイだったので、白黒だけど映像がキレイ!と感じました。
〈あらすじ〉
18歳の少年が起こした殺人事件に関する陪審員の審議が始まった。誰が見ても少年の有罪は決定的であったが、1人の陪審員は無罪を主張。そして物語は思わぬ展開に!
〈感想〉
94分の映画の中で最初と最後のシーン以外は1つの密閉された暑い部屋だけが舞台になります。
殺人事件の陪審員となった12人のおじさんが、時には声を荒げて永遠と話し合うだけの映画なのですが、人間の心理とか個性とか背景とか正義とか弱さとか薄っぺらさとか、その限られた世界で見事に描いているのです!
怒りに任せて言った言葉が支離滅裂で自分に返ってきちゃうところとか、本当に台詞が巧みで、1つの台詞も見逃せないというばかりに食いついて集中して見ちゃいます。
父親殺しの罪で裁判にかけられている少年。
状況は少年に不利なものばかりで、陪審員も全員一致で有罪、死刑だよね?という雰囲気なのですが、1人だけ疑問を投げかける陪審員がいます。
裁判官も弁護士も検察官もいない部屋で、生まれも職業も年齢も様々な見知らぬ一般人たちとの話し合いでしか結論が出せない状況の中、有罪派の11人は迷惑千万、早く帰りたいといった様子だし、この1人の勇気ある男はどう周りを議論に巻き込んでいくのか、部屋の中だけでどう証拠や証言を覆せるのか、最後までドキドキの展開でした。傑作です。
まとめ
どちらも名作と名高い作品ですが、評価が高いだけあるなあと思いました!