ぽわろんの推理ノート

仕事について、人生について、人間のあれこれを考察します

英検1級2次試験の一部始終

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こんにちは、ぽわろんです。

 

こちらのブログで、英検1級に合格しました!とご報告しました。

 

そして、少しでもこれから英検を受ける人の参考になるように、ぽわろんの英検1級の経験を書いていこうと思います。

 

まずは英検1級2次試験当日の体験談を忘れないうちに書いておきます!

 

これは微に入り細に入る面接当日の会場への潜入捜査の記録です。かなり細かいのでご容赦を!笑

 

会場へ

11月23日、勤労感謝の日が2次試験C日程でした。私は午後の受験組。四ツ谷の日米会話学院に12:50集合でした。

 

初めてなので何分前に行くのがいいのかわからず、トラブルがあっても遅れないように早めに出発。12:00ちょうどに会場に着きました。既に係の人が会場の外に立っていましたが、「受付は15分くらいからですね」と言われ、近くのコンビニでパンを買って外ではむはむと食してから、15分ちょうどに会場に戻りました。


会場の学校に入ると、既に列ができていました。受付でコロナ対策のヘルスチェック済みの画面と受験票を見せて教室へ。数えてみると、ちょうど10番目でした。


すぐにスマホの電源を切り配られたケースに入れて首から下げるように言われます。首が地味に重いです。

机の上に置いてある採点の紙2枚に受験番号やら氏名やらを記入します。用紙が2枚あるのは試験官が2人いるからだなぁと気づくと本番を意識してドキドキします。


そのまま注意事項を読んだり、持ち込んだノートを復習したりして待ちました。自己紹介もちゃんと用意して来たというのに、直前で笑いが取れそうなネタを思いついてしまい、急遽自己紹介を再構築し始めましたが、焦りがつのり結局は用意して来たやつを使うことにしました。笑


13時になると、最初の7名が試験に連れて行かれました。15分ほどしたら、ぽわろんを含む7名が呼ばれます。ドキドキです。

小部屋が7つ。それぞれの部屋の前に椅子があり、座って待つように言われます。


かすかに部屋の中から前の受験者の声がするのですが、それはもう素晴らしく流暢に途切れなく話している感じが伝わってきて(内容は聞こえません)、圧倒させられます。

ぽわろんはここにいる誰よりも英語が下手なんだわと、不必要にネガティブになりつつ、気を取り直して「大きい声でいこうね」と気合を入れました。


前の受験者が終了して部屋から出て来ると、しばらくしてスーツの係員風の女性が部屋から出てきたので、受験票と採点の紙をお渡ししました。この方がタイムキーパーでした。

 

いざ面接へ

一旦部屋に消えた女性がすぐにまた現れ、「どうぞ」と部屋に誘導してくれました。ノックとか”May I come in?“は要らんのかな?と思いながら入室。


部屋の奥に、2人の男性試験官が並んで座っています。”Examiner”と書かれたプレートが置いてあります。コントみたいだ、と思いました。ふふ

 

第一印象で、2人ともネイティブスピーカーではないかしらと戸惑いました。しかし、左側の男性が明らかに欧米の方だったので、右側の白髪の男性が日本人なのだと当たりをつけました。

日本人の試験官が「荷物をそこに置いて、そこに座ってください」と英語で指示してくれます。※ここからの会話は全て英語です。


タイムキーパーの女性は左背後に座った気配がします。


まずは英検1級である確認と、それぞれの試験官の名前の紹介と、”Nice to meet you.”の挨拶。そのあと1人ずつ”Can you hear me?”と確認してくれました。コロナ対策でマスクをしているための配慮と思われます。


次にぽわろんの名前を聞かれて答えると、自由会話の開始です。

日本人の面接官は目を見るとマスク越しにも微笑んでいるのがわかります。

“Can you talk a little bit about yourself?”と聞かれたので、ぽわろんも笑顔で用意して来た自己紹介、学校の仕事とオンライン日本語チューターの副業の話をしました。今日は面接受けられて嬉しいです!みたいな前向きな感じで結びました。


すると、「それじゃ趣味に割く時間がないんじゃない?」と言われたので、

「ありますよ」と言って、これまた用意して来た趣味の話をしました。「インドアなので家で映画見たり本読んだりブログ書いて過ごしてます」と。

「この後、この英検の経験をブログに書こうと思います!」と言ったら、それまで真顔でむっつりと黙っていたネイティブスピーカーの面接官が”Please be nice.(お手柔らかに)”とコメント。真顔だけど、冗談を言っているのがわかったので”OKハハハ”と笑いました。

 

ここで、試験に突入。

日本人面接官。「机の上にカードがあります。裏返したらタイマーのカウントが始まります。トピックを選ぶ時間が1分あり、終わったら2分間でスピーチをしてください」


ふむ、なるほど。

タイムキーパーの人に聞こえるように”I’ll start.”と言って緑のカードを裏返しました。


お題を上から読み始めました。ほとんど内容は覚えていませんが、「スタートアップ企業は経済に必要か?」みたいな、質問の意味はわかるけどスピーチするとなると困るな…みたいなお題ばかりで逆に悩んでしまいました。


「お題は10秒で選んで、残りでスピーチを考えるべし」とどこかで聞いたことがあります。ぽわろんも、ぜひそうしましょうと思って臨んだものの、やはり本番はお題選びに欲が出てしまい、結局5題最後まで読んでしまいました。そして選んだのが、(うろ覚えですが)


Should wealthy countries share their information technology with poor countries?


というもの。前日にもインターネットの普及率やオンラインレッスンの話を調べていたので、その話ができるかなという当たりしかありませんでした。二つ目の理由は浮かびません。


1分が経ち、選んだトピックを聞かれたので

I’ve chosen No.3; Should wealthy countries share their information technology with poor countries?”と答えました。合図を受けてスピーチを開始。

 

スピーチする

まず、練習では話すのがつっかえつっかえ過ぎて、あっという間に2分が経過してしまうというパターンが常でしたので、いかにイントロダクションを短くできるかに心血を注ぎました。

そこで”I agree with the statement. Please let me explain why I think so.”

イントロで言ったのはたったこれだけです。やあ、ものの5秒ですね。


通常、I have two reasons...などと言うところですが、2つの理由を言える自信がなかったので、「理由を説明します」という表現に逃げました。


さて、bodyパートですが、「ITは教育の向上に寄与する」みたいなことを主張しました。

具体例として、コロナで世界中の学校が休校になったけれど、日本の学生はオンライン授業で質の良い教育が受けられた。なぜなら日本政府がPCやタブレットを全学生に配布したから。またアフリカのインターネットアクセス人口が20%に対し、日本は90%以上という数も盛り込んで。

教育は世界平和の基本なので、発展している国がITを世界中に行き渡らせることで、平和につながる。

というようなことを言ったのかな。よく覚えていないです。しかもいつもは2分超えてしまうのに、理由を1つしか言っていないせいで時間が余っている。慌てて、さっき言ったことをコンクルージョンで繰り返すようにモニョモニョと言ったところで、ちょうど2分のタイマーが鳴りました。

 

質疑応答する

次にインタラクションの質疑応答4分の時間。

日本人面接官から「例えば日本が技術提供したとして、日本に何のメリットがあるの?」ときました。

「このグローバル化した社会ではすべての国が相互依存しているのでその国の発展だけでなく全体的な世界平和になるのです!例えばJICAは発展途上国のインフラ向上のために金銭的、技術的支援をしていますね。それでその国が発展すれば、全体的にメリットがあります。」


「それで日本は何を得るの?」

(ぐ…さっきの質問と一緒だ。答えになってなかったか…)

「そのリターンで、日本は…えー、えー、えー、そーりー、、、、、エ、エネルギーとか穀物とか?もらえるのです!」苦しくて、下を向いて、取り返しのつかなそうな何も出てこない時間があったのですが、内容よりもコミュニケーションだ!とりあえず何か言うのだ!と言い聞かせて、最後まで言い切りました。この時点で心が折れそうな絶望感を味わいました。


また日本人面接官、

「例えば見返りに日本の機器とか買ってもらうように強要すべき?」

(ああ…さっきの質問はこういう答えを期待してたのかなあぁ。正直考えたこともないよ…)「それは期待できますね。たとえばテクノロジーを提供して代わりに将来日本製品を買ってねって言うこともできますね。」

完全に同意しただけの答え。。


ここで、ネイティブスピーカーの面接官

「テクノロジーを提供しちゃったら、その国はイノベーションがおきなくなっちゃわない?」

(?…なんでじゃ)「でも、テクノロジーはツールだから、それ使ってイノベーションは起こせると思います」全然言っていることがわかりません。。


「でもさ、最初から発展したテクノロジー提供しちゃったら、やる気なくなっちゃわない?」

「ああ、そういう意味ですね(やっと質問の意図を理解したということを伝えた。でも答えがわからない)そうかもしれませんが、テクロノジーがあれば努力してどうのこうの…」かなり苦しいことを言ったことしか覚えていません。

 

続いてネイティブスピーカーが何か質問したのですが、質問の意味が全くわかりませんでした。

すぐさま”Could you elaborate on that?(もう少し噛み砕いてくれませんか?)“とお願いすると、全く嫌な顔せずに「もちろん」と、体を乗り出して身振り手振りを入れながら説明してくれようとしたのですが(今までで一番フレンドリーな態度でした)、途中でタイマーが鳴ってしまい、一瞬続けようか迷った顔をしましたが、「残念ですがここで終わりです」

ぽわろんも悲しそうな顔をしましたが、もうこれ以上はたじたじだったので正直時間切れでホッとしていました。


元気に挨拶して”Have a nice day.”には”You too. Good bye!”と部屋を出ました。

 

これが当日の一部始終です。悔いはありましたが、初めての受験でしたし、自分の今の実力ではこのくらいだろうという感覚でした。

 

振り返り。まずは良かった点。

元気にコミュニケーションがとれたこと。

笑顔で目を見て返事したり、とにかく一生懸命聴いて頷いて会話を継続できました。

「あなたの武器は笑顔だから。ノンバーバルコミュニケーションね。」そう先生に言われたのを思い出します。決していつものようにヘラヘラするのではなく、きちんとした笑顔を心がけました。


次は、ハッキリ話すこと。

ぽわろんは性格的に人見知り、はにかみ屋で、普段は声が小さいです。なので、なるべく相手に届くよう大きな声で話すように心がけました。とてもじゃないけれど英語はスラスラ話すせるレベルじゃなく、いつもつっかえつっかえです。なので、変な間ができないように全体的にゆっくり、一言一言はっきり、抑揚・強調、身振り手振りも意識して話すようにしました。発音で9点は想像もしていなかったですが、自分の言っている言葉が相手に伝わると過信せず、伝えようと意識することで変わって来るのではないかと想像しています。


そして、スピーチで最後まで話したこと。

途中で空中分解しそうになりましたが、とにかく頑張って最後まで話しました。「スピーチの時間は余っても大丈夫」と聞きますが、流暢に話す人の2分と私のようにもたつく人の2分はだいぶ内容の濃さが違ってくると思います。なので、時間を余らせない一生懸命さが私には必要だったと思います。

「理由は2つ話せなくても大丈夫」と聞いたことがあります。なので、本番は欲張らず主張を具体例でかためて行く方法にしました。練習の時、「抽象的な内容に終始しがち」という点を指摘されていたので、無理に2つに分けるより良かったのかもしれません。


最後に、すぐに反応できたこと。

質問に対し、無言になることは避け、わからなければすぐに確認の質問をしたり、わかりましたと伝えたりしました。内容が間違っていても、無言になるよりいいのだと思います。

 

次に反省点

スピーチのお題を5つ全部吟味してしまったこと。

これは一歩間違えればスピーチを作る時間がなくて頭が真っ白な状態でスピーチをすることになったと思います。いやぁ、欲張るのは危険ですね。


インタラクションの答えが抽象的だったこと。

例えば「日本は何を得られるか」という質問だったら、自分の経験に照らし合わせて「私の働いている学校ではベトナムやネパールやミャンマーといった日本よりITが発達していない国の留学生にITを教えています。将来そういう学生は日本企業が海外進出するのに貢献したり、母国に帰って日本企業の取引先になったりすることが期待できます」という答えができたはずなのです…!今思えばね。「Microsoftやzoomなどのように、世界中にユーザーが増えれば収益が増える」などという例でもいいと思うのです。その時に具体例がパッと浮かばなかったのは、こう言った自分の経験や考えを英語で説明したことがなかったからですね。唯一話せたJICAの例は、実際にJICAのホームページまで見て活動内容を確認して、練習で何度も使った例だからです。このように例として話せる持ち駒を出来るだけ多く用意してスッと出せることが大事だと思います。


口ごもったこと。

インタラクションで回答の途中で口ごもり、先が続けられなくなった時がありました。思い出したら即失格レベルの失態のように思えて「落ちたに違いない」とへこみました。しかし、何か言うんだ!と気を取り直してひどい回答でも沈黙だけは避けました。結果、減点はされたでしょうが7点もらえたということは、失態で心を折らない、諦めないことが大事ということですね。

 

最後に

これから英検1級を目指す方の中には、この体験や結果を見て「すごい」「こんな風にはとてもできない」と思う人もいるかもしれません。

 

ぽわろんも、他の人のブログなどを見ていつも圧倒され、英検の面接で「なんとかうまくできた」と言っている人や、合格点を取れる人はきっと自分とは次元の違う人なんだわ、と思っていました。

英検準1級の面接で満点だった人でも不合格になったという記事を読んでは、「準1級でギリギリだった私なんて到底無理じゃ」と恐れ慄いていました。

 

2次試験の対策に真剣に取り組み始めた試験1ヶ月前まで、ぽわろんもそんな感じでした。この1ヶ月の準備がなければ、スピーチもまともにできずに終わっていました。

なので「2次試験のために何をしたのか」、次回はそのお話をしたいと思います。

 

こんな私でもできた、こんなに穴だらけの面接でも評価してもらえた、ということをお伝えしたいです(*^▽^*)