ぽわろんの推理ノート

仕事について、人生について、人間のあれこれを考察します

英検1級2次試験対策にしたことすべて

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こんにちは、ぽわろんです。

 

前回、英検1級2次試験当日の様子について書きました。

 

初受験で合格できたことで、一番びっくりしたのは自分自身でしょう。

特に2次試験の面接は、ぽわろんのように英語を話し慣れていない人にとっては鬼門とも言うべき高いハードルに思われます。

それでも予想外の高得点を取れたため、「どのように対策したんですか?」という質問をいただきました。

もう、ぽわろんにお役に立てることがあればと思い、本番までにやったことを書いておきます…!

 

ちなみに、ぽわろんの英語学習は「大人のやり直し英語」ですので、英検は過程での学びを重視し、成長を楽しむものでした。そのため、短期決戦には向いていないと思います。

ただ、直前1ヶ月の伸びも大きかったので、ひとつのヒントとしてお読みいただければと。

 

では、時系列に進む長い長いお話です。

 

話は1年前

まず、話は試験から遡って1年前から始まります。英検準1級を受けてからもう3年。このあたりから「英検1級を1年後くらいに受けたいなぁ」と淡い気持ちを持っていたのです。


1年前から始めたのは、ネイティブスピーカーとの週1回(1時間)のオンライン英会話です。

それまで3年くらいネイティブキャンプでオンライン英会話をしていたのですが、仕事を増やしてしまった関係で「レッスン受け放題」にも関わらず月に10回程(5時間くらい)しかレッスンが受けられなくなってしまったのです。これではあまり意味がないなあ、もったいないしなあと休会することにしました。

 

それなら質重視で自分の希望のレッスンをしてくれる先生を探そう!とPreplyというところでネイティブスピーカーの先生を探しました。そこで出会ったのが今の先生です。

先生はぽわろんと同世代のイギリスの女性で、以前は日本の英会話教室などで教えていた方です。英検なども指導経験があるというレアなお方!

冗談でぽわろんが「私、日本語のレッスンしてあげますよー!」と言ったら、なんと本当にぽわろんの日本語レッスンを受けたいという。

今ではお互いに英語のレッスンと日本語のレッスンを週1回ずつしていて、時に先生、時に生徒という不思議な関係です。笑


さて、その先生とのレッスンですが、毎週先生の用意してくれるニュース記事を読んで、関連のお題で英作文・スピーチの宿題に取り組むというものです。


例えば、「コロナ禍でアメリカでホームレスが増加」という記事を読んで、「日本政府はホームレスを減らすために十分なことをしているか」というお題が宿題になる、という感じです。

ぽわろんは調査をし、例えば高齢者のホームレスと生活保護についてやネットカフェに住む若者(潜在的なホームレス)について学び、原稿を作り、スピーチ練習をして、次のレッスンで発表して直してもらうという流れです。


1週間に1題のゆっくりペースですが、色々なテーマでじっくりと調査をして意見をまとめることで、特に1次試験の英作文にも役に立ちました。


そして1年で50題くらいのスピーチ原稿ができたわけです。もちろんスピーチとしては忘れてしまったものが多いですが、調べたことは知識として印象に残っていて、いい下地になったかなと思います。

 

1次試験の準備をしながら

次にお世話になったのは『面接大特訓』です。

 

 

こちらは、1次試験を10月に受けるぞと決意をした7月に購入。1次試験までにこの本に出てくる全てのお題に対して、時間を測って英作文してみました。賛成、反対でこんな着眼点があるんだなとか、スピーチの後に関連の質問はこんな風に聞かれるのだなというのは一通り読んで参考にしました。ちなみに、この本のように立派なスピーチや応答は全くできません。即座に理由を3つも言うのは無理でしょーと思っていました。なので、テーマや論点を押さえるという意味で一通りやりました。

ともかく、これから1次試験を受ける人は、英作文とスピーチは一緒に準備をするのが吉ですね!


そして、1次試験が終わった後は、『面接大特訓』をバイブルのようにお守りのように持ち歩いていましたが、実際この時期に使っていたのは第二章の「短文練習」がほとんど。

ここで出てくる言い回しに慣れると、必然的にプロフェッショナルっぽいかっこいい話し方になるのです!


例えば、

Japan plays a vital role in...とか

Technology allows younger people to...とか

There is a growing awareness about...

などの言い回しはとても便利なので、スッと出てくるように練習をしました。


毎日、髪を乾かしながらの短い時間でちょっとずつ唱えていました。


ただし、この『面接大特訓』のサンプルスピーチや質問の回答例を覚えるということはしませんでした。ぽわろんは暗記が苦手なので、これを覚えろと言われたら苦痛でしかないですし、こんな難しいスピーチ覚えられない。それに身につけたかったのは「自分の意見を英語で言えるように」という力なので、スピーチは自分で考えたもので練習すること、そう決めました。

 

 

1ヶ月前に先生からの洗礼

いよいよ1次試験の合格発表があり、1ヶ月後に2次試験です。でもこの時は「まあ今回は2次試験合格は無理でしょう。何度かチャレンジして1年以内には合格できたらいいなあ」と思っていました。やはりぽわろんの勉強はインプット中心になっていて、時間をかけて英作文はできるようになってきても、「即興でスピーチ」なんてできる段階ではなかったのです。


しかし、Twitterで1次合格の報告をしたところ、英語学習のお仲間さんから「この勢いで2次もいったほうがいい」と励まされ、そうか勢いも大事か、と本気で2次試験に臨んでみようという勇気をもらいました。


さて、ここで思い浮かんだのが、ネイティブキャンプで以前お世話になっていた日本人の先生。英検1級の指導をしており、以前から「英検1級受ける時はおいで」と言われていたのです。笑って受け流したまま何年もかかってしまいましたが、ようやくその時がきたのです。今こそ!


休会していたネイティブキャンプをキャンペーンにつられてちょうど再開していたので、さっそく先生のレッスンを予約しました(フリートークを予約)。

約1年振りにお会いしたのに、開口一番「私に会いに来たということは英検1級1次試験に合格したんですね。2次はいつです?」とエスパーのように行動を読まれていました。

そして「スピーチは用意してきた?え、ないの?何しにきたの。じゃあ、即興でやりましょう」と、のこのこ現れたことにさっそく呆れられ、即興でスピーチすることに。


結果はボロボロでした。英作文の形に慣れていたのでイントロダクションで長ったらしい背景などを言おうとして1分くらい経過、bodyも何か抽象的なことを言おうとして無言になって終わり…。


続けて質疑応答もしましたが、こちらも何も言えず「何にも知らないんですね」と知識のなさも露呈。。


先生には「これでは到底受かりませんね」と言われてしまい、もう立ち直れぬ…と正直落ち込みました。出来なすぎて恥ずかしいし、もうこの先生からは逃げてしまおうねそうしようという考えも頭をよぎりました。


でも、最後にくれたアドバイスが、やっぱりさすがだったんですよね。これ、すごく大事だなと今改めて思うので、シェアします!

「イントロダクションではYesかNoをはっきりさせて、すぐにBodyに入ること」

「あと1ヶ月で1日1題スピーチすること。これで30題できる」

「抽象的すぎるスピーチにならないように、必ず具体例を言うこと」

「この後、この国連のスピーチを見なさい。今日のお題だとこれを具体例にすればいい。」

「自分のスピーチを録音して聴いてみること」

「自分の得意分野を作ること」

「理由は3つでなくて2つでいい。ただし、本当に良い演説家なら理由1つで聴衆を納得させるスピーチができるよ」(実際に先生がやってみせてくれる。うわすごい)


レッスンの後、「先生に怒られたよー」と夫に報告して「それはひどい」とかばわれながら、本当にひどくて情けないのは自分だとわかっていました。ここで逃げるか、それとも先生に向き合うか、しばし逡巡して、先生に言われた通りに頑張ることに決めました。いざ茨の道へ。

 

1ヶ月間の駆け込み練習

日本のニュースを見る

さて、ここからが直前1ヶ月に実際に行ったことです。

まず、先生から「具体例を言うように」「知識が足りない」と指摘されたため、自分が話せるネタを増やす必要があると思いました。


そこで、毎日通勤中に聴いていた英語のニュースを思い切って辞めて、代わりに日本のニュース番組を見ていくことにしました。

実際に使ったのは「テレ東BIZ」のアプリです。

テレ東BIZ(テレビ東京ビジネスオンデマンド)

1ヶ月550円のサブスクですが、最初の1ヶ月は無料で使えました。お世話になりましたね。


このアプリで以下のようなニュース番組やビジネス系のドキュメンタリー番組をダウンロードして、毎日1.5倍速で通勤電車で観て行きました。日本語だと1.5倍速でいけるんですよ、さすが日本語ネイティブですよ。


TVerで無料で見られる番組もありますが、広告が入るのとバックグラウンド再生ができない、ダウンロードできないということで、効率を考えてテレ東BIZを使っていました。


英語のニュースを聴いた方が英語の勉強になるし一石二鳥だ!と思っていたのですが、私のレベルだと英語を全部完璧に聴き取れる訳ではないですし、「世界で何が起きている」というヘッドラインはつかめても「どうしてこれが起きて、何が問題になっているか」までは理解できていませんでした。

日本のニュース番組では、専門家が出てきて詳しく背景から解説をしてくれるので、一気に理解が深まりますし、面白いネタがたくさん見つかります。いやぁ英検なくても見た方がいいなと思いました。


例えば、ぽわろんが試験を受ける時にはイギリスのグラスゴーでCOP26が開催されており、毎日環境問題や脱炭素についての報道がなされていました。

日本とスペインの風力発電を比較したり、秋田の合弁企業が洋上風力発電を開発しているという紹介や、スタートアップ企業が窓に貼れるような半透明の太陽光発電パネルを開発したという紹介があったりします。

これを聴いて「ふむふむこれは面白い具体例だぞ」と、メモする訳です。ここから「政府はこういう企業を支援して開発を促進していけば日本の脱炭素も進むかもな」、なんて自分の意見を考えてみたりするのです。

 

そして、メモした具体例や意見を、後で調べながら英語で話せるようにします。

 

さあ、これを含めて温暖化関係のスピーチを作ってみると、ぐっと面白く説得力のあるものが出来あがります。自分で調べて考えたものなので、記憶にも残りやすいですね!

 

1日1題のスピーチ

先生に言われていた「1日1スピーチしなさい」も、なんとか言いつけを守りました。スピーチのお題はこちらのサイトを参考にさせていただきました。大変お世話になりました!

1st(S)

 

直前はいつでもスピーチ練習できるように、こちらのサイトをスマホの待ち受け画面にしたくらいです。笑

 
ネイティブキャンプの先生と向き合う

ネイティブキャンプの先生のレッスンは恐々ながらも、その後6回受けました。えらいね!

 

レッスンの中でまずは用意してきたスピーチを発表します。

イントロダクションは短く、と意識すると大体

くらいを意識できるようになってきました。

先生には段々「2分の感覚がつかめてきましたね」と言われるようになってきました。やったー。たまには褒められるぞ。


余裕があればコンクルージョンで、なにか簡潔にかっこよくまとめたいなぁという気持ちも芽生えてきました。

例えば”Although the contribution of art is intangible, art plays a vital role in the society.”などサラッと言えるとかっこいいような気がしてですね。

 

発音やアクセントの間違いも指摘していただきました。technologyの[dʒi]が[zi]になっているなど、基本的な単語も案外間違っていてヒヤリです。助かりました…!

 

用意して来たスピーチが終わると、次は先生の用意してくれたお題での即興のスピーチと質疑応答もしていただきました。ボロボロの時もありましたが、恥をかきながら、心が強靭に育っていくようでした。

 

模擬面接

一方で、週1回のプライベートレッスンでは、ニュース読みのレッスンを面接対策に切り替えてもらいました。

フリートークから始まり、5つのトピックから1分で1つ選んでスピーチ、質疑応答という感じで、本番を想定した流れで模擬面接をしてもらいました。


フリートークは採点対象外とは言え、第一印象を決める大切な部分ですし、ここでいいペースを作りたいので、必ず用意したほうがいいと思います。

私が想定していた質問は、この3つです。

  • ここまでどうやって来ましたか?
  • 自己紹介してください
  • 趣味は何ですか?


本番でも想定通りに自己紹介と趣味について聞かれたので焦らずに話せましたし、なんなら笑いも取りたい欲も出せたので、フリートークでのつかみには成功したのかなと思います。

 

独りで練習

レッスンの回数は限られているので、大半は独り言練習です。ぽわろんは声が小さいため、大きな声で話せるか自信がありませんでした。なので、カメラを遠くに置いて、マスクをして遠くに座り、しゃべってみるということもしました。自分の目線や手の動きなど、いかに挙動不審かを確認するため、zoomで1人ミーティングを開催したりもしました笑

 

つらくなったら一ノ瀬先生を観ましょう

もう息抜きしたい、やる気が出ないという時は、YouTubeで一ノ瀬先生のチャンネルを観ていました。前日、心落ち着かない中で見た動画が支えになったりしました。お世話になりました!

 

英検1級 2次試験対策シリーズ

 

英語でSDGsシリーズ

 

しかし、一ノ瀬先生はなにせペラペラなので、ぽわろんの2分間と一ノ瀬先生の2分間は全く違う時間が流れているようです。とにかくすごいので、「いやこれ無理でしょ」と思わずに、先生のスピーチを参考にして自分用のスピーチにアレンジしてみるということをしました。とにかく丸覚えはしないことと決めていました。

 

練習の成果やいかに

これが2次試験のためにぽわろんのやったことすべてです。

 

仕事しながらなので、なかなかにハードでしたし、読書がしたい…!と禁断症状が出てましたが、通勤時間、お風呂の時間などもうまく活用して地道に進めました。

 

英語は好きでいつも楽しく学習してますが、スピーキング、特に独り言だけは苦手の気持ちが強くて腰が重かったし、言いたいことが言えなすぎてつらいなぁと嫌になることも多々ありました。


しかし、実は、この対策をしていくことで段々と変化が出て来たのですね。

それは知識+英語力の底上げで応用力が身に付いてくるという感覚です。

 

スピーチや質疑応答の範囲は幅広く、全てを完璧に対策することはできません。

でも、一つ取り組んだことが、違う分野でも応用できるようになってくる。点と点が線になるという感覚です。


例で説明しますね。例えば、IT関連で具体例を集めていきます。

 

  1. 中国ではAIを活用して高齢者の自立した生活をサポートしている。(孤独を和らげる、健康観察、緊急時にアラート)
  2. 日本では60代の90%がインターネット使っている、ということは10年後には70代のほぼ全員が使っているだろう
  3. コロナ禍でトイレットペーパーが品切れになるというフェイクニュースが買い占めにつながった
  4. ITによって外国人の子どもや学習障害のある子どもにもアダプティブラーニングが提供できる
  5. コロナ禍で遠隔診療が一般化した
  6. 判断能力の低い子どもたちがインターネットで騙されやすい

 

などなど、ニュースで見た、またはスピーチを作るために調べた知識が蓄積されていきます(大切なのは、これを英語で説明ができるようにしておくことです)


すると、このようなお題が出たとしましょう

 

①日本は高齢者の生活に十分な支援をしているか

→不十分です。

 技術を活用して独立した生活ができるように支援すべきです。中国ではAIで…(1と絡める)

 また、インターネット使用を前提とした社会になっていくので、インターネットリテラシーを教える機会が必要です。フェイクニュースを信じてしまうと…(2や3と絡める)

 

応用でなんだか形になっていますね。

さて次、

 

②教師の役割は以前と変わってきているか?

→変わってきています。

 近年は知識の習得はITが担うことができ、教師はITを活用の仕方やモラルなどを教えられる必要があります(6と絡めて)

 また、以前は画一的な授業でしたが、各生徒の発達状況に応じたアダプティブラーニングを推進する必要があります。(4と絡めて)

 

教育分野もそれっぽく語れますね。

では、次


③政府はもっと技術開発に投資すべきか

→はい。

 高齢化社会の問題には技術開発が欠かせません(1や6とからめて)

 世界的な環境問題への解決にも技術開発への投資がキーになります。たとえば海洋風力発電の…(これは環境分野でまとめてた具体例)

 

というように、技術の分野の話が、環境、教育、高齢化、国際関係…など色々な分野とクロスしていくんです。

 

これが「得意分野を作る」ということの意味なのかな、とうっすらわかってくるようになります。

 

ここまでくれば、スピーチでも質疑応答でも蓄積した具体例をもとに意見を展開していけるようになってくるのだと思います。

ぽわろんは本番の質疑応答で四苦八苦しましたが、この方向性でもっと準備しておれば、もっとビシッと回答もできたのかなと感じます。

 

特に英作文と違い、面接では5つのトピックから選べるので、1つだけでも今まで準備してきた何らかの意見、具体例に絡ませることができれば、なんとか説得力のある説明ができると思うのです。

 

最後に

英語を話し慣れないぽわろんが英検1級の2次試験に合格できたということで、これから挑戦する方の勇気になるといいなと願いを込めて、色々思い出しながら書いてみました。

何かの参考にしていただければ、嬉しいです。

 

※2023年9月追記

このブログに登場したネイティブキャンプの先生は、残念ながら2023年4月以降は稼働していないようです。今まで「紹介してください」というお声がけをたくさんいただき、中には「本当に先生のレッスンを受けて合格しました!」とご報告してくださった方もいて嬉しかったです。

 

4年前に書いた記事になりますので、時代も変わり、今ならChatGPTを味方につけて英作文や面接の練習をするのが効率的と思います。しかし、多くの方に英検ドタバタ日記として楽しんで頂けているようなのでしばらくこのまま掲載しておこうと思います!

ここまでお読みいただいた方、ありがとうございます。

 

 

おまけです…笑